INTERVIEW インタビュー
単なる「鉄板売り」からの脱却。商社と流通がタッグを組み、業界を動かす新たな価値を創出
はじめに、事業について教えてください。
当社は、鉄の製品を販売する事業と、商社として売り買いを行う事業の2つを柱にしています。北海道から大分まで各地に工場があり、それぞれ厚板やアルミ、自動車向けの鋼板など、特化した分野を持っています。自動車メーカーや部品メーカー様向けの提案のほか、自動車以外の分野での新規のお客様への提案も行っています。
西日本鋼管とのお取引の経緯を教えてください。
関係を遡ると、かなり前からのお付き合いになります。旧・谷本鉄鋼時代からのつながりがあり、その後しばらく途切れた時期もありましたが、2020年頃、コロナ禍で材料が一気になくなった時期に、あらためて会話が再開しました。当社にとっては売り先であり、西日本鋼管様にとっては新しい仕入先を検討されていたタイミングでもあり、双方のニーズが合ったのだと思います。
最初の印象としては、正直に話してくださる会社だと感じました。価格面でも、回答の整合性が取れていて、安く買うために無理なことを言っているのではなく、本当にその価格が入っているのだろうと想像できました。だからこそ、こちらも条件を合わせられれば買っていただけるのではないかという感覚があり、やりやすさを感じました。

どのようにパートナーとしての関係が深まっていったのでしょうか?
当社の目線で言うと、私たちがやりたいことと、西日本鋼管様がやろうとしていることがリンクする部分が多かったのだと思います。単に加工設備で加工したものを販売するだけでは競合も多く、新しいことを考えなければならない。西日本鋼管様も、ただパイプを買って売るだけでは広がっていかない。その枠が合致したのが、グリーンスチールや脱炭素の取り組みでした。
当社は材料を売りたい、西日本鋼管様は仕事がなければ材料を買えない。そこで「材料を買ってほしいなら、当社の製品を売ってきてほしい」という話になり、パイプを使った製品を当社が販売することで、西日本鋼管様も材料を買うという関係ができました。そこに脱炭素事業が絡んできたことで、本当の意味でパートナーのようにビジネスが大きくなってきました。
当社としても、今までどうしても「鉄板を売ること」を中心に考えていた部分がありましたが、一緒に取り組む中で、パイプを使った製品ごとお客様に紹介すると材料以上に喜んでいただけることが分かりました。お互いの商材や強みを掛け合わせることで、新しい視点で提案できるようになったのは大きな面白さです。
脱炭素・グリーンスチールの取り組みは、どのように始まったのですか?
前身になったのは、自動車向けのパレットを一緒に取り組み始めたことです。パイプそのものではなく、パイプを使った鋼製パレットを一緒に進める中で、差別化が必要だという話になりました。間に入っているだけでは価値を出しにくいため、何か特色を付けなければならない。その中で出てきたのが脱炭素でした。
ちょうど2年ほど前、自動車に詳しい人を紹介してほしいというお話があり、そこからいろいろなお客様をご案内するようになりました。最初は話を聞いてもらう程度でしたが、説明の仕方や提案の仕方を一緒に工夫していく中で、最近は受注につながる案件も出てきましたし、「もう一度聞きたい」と言っていただける機会も増えています。
大手の自動車部品メーカー様も脱炭素には関心を持っています。ただ、すぐに採用するかというと、まだ時代の流れを見ている段階です。Scope1・2の削減を進めたうえで、今後社会全体がそうなってきた時にScope3に取り組む、という見方が多いのではないかと思います。だからこそ、早くから準備しておくことに意味があります。
現在の西日本鋼管には、どのような強みを感じていますか?
一緒に仕事をしていて感じるのは、ゼロからお客様を作っていく力です。当社には商材や商社業務の面でどうしても制約がありますが、西日本鋼管様は新規のお客様に対しても自分たちで作っていく姿勢があります。そこに当社が持っていない販路や商材、知見が加わることで、良いアイデアが生まれています。
ここまで先を見据えて一緒に取り組めるパートナーは多くありません。お互いの方向性やベクトルが合っているからこそ、今は西日本鋼管様と一番深く取り組んでいると言えます。実際、週に何度も会っているような関係です。
お付き合いを始めた当初は、とにかく加工力のある会社というイメージが強かったのですが、今は大きく変わりました。脱炭素のような新しい武器を持ち、素材以外のことでも「これも相談してみよう」と思える関係になっています。「何でもやろう」というスタンスと、フットワークの軽さは、他の流通業者様と比べても頼りにしている部分です。

フットワークの軽さを感じた具体的なエピソードはありますか?
物流の2024年問題に関わるパレットの相談をした時は、非常に驚きました。お客様からパレットの設計・購入に関する相談があり、西日本鋼管様に相談したところ、その週のうちにWeb会議を実施し、2日後には外注先を使って試作パレットを作っていただきました。すぐにお客様へ持っていっていただいたことで、お客様からもスピード感を高く評価され、受注にもつながりました。
通常、新規のお客様とのお取引は10トン、20トンと少しずつ量を増やしていくものですが、西日本鋼管様の場合は「行こう」と決めたら、最初から大きな量で勝負に出る決断力があります。圧倒的なスピードと、そのスケール感・思い切りの良さは、西日本鋼管様の大きな強みだと思います。
今後、期待する役割を教えてください。
当社には、まだ攻略できていないお客様や苦手な分野があります。そうしたところで西日本鋼管様に相談すると、パレット業者様など、上から下までいろいろな手をお持ちなので、新たなルートで販売面を確立していく手助けをしていただきたいです。
硬く言えば、お互いに成長し合えるパートナーでありたいです。良い意味でお互いの強みを活用し合い、切磋琢磨できる関係が続けば、単発で終わるのではなく、案件が循環していく関係になっていくと思います。そうした案件が増えていけば、切っても切れない強い関係になっていくはずです。今後は会社全体にもこの関係性を広げていきたいです。
同じような課題を持つ企業に、西日本鋼管をどのように紹介したいですか?
相談したら、「嫌だ」という顔ではなく、「分かった、一度確認する」と前に進めてくれる会社です。何かを動かすエンジンのような存在だと思います。
フットワークが軽く、決めたら大きく動ける会社です。新しい取り組みを形にしたい時、単なる仕入先・販売先を超えて、一緒に先を見据えて動いてくれるパートナーとして紹介したいです。