COLUMN

製鉄所と鋼材コイルの写真に「鉄鋼の脱炭素は、製造経路から読む。」のコピーを配したメインビジュアル

鉄鋼業の脱炭素はどう進む?製造方法と削減の考え方

2026.07.13
CFP・CO₂見える化

鉄鋼の脱炭素を理解する近道は、「高炉と電炉のどちらが環境に良いか」と二択で考えることではありません。鉄鉱石から鉄をつくるのか、回収した鉄スクラップを再び鋼材にするのかによって、必要な原料と工程が違います。さらに、同じ製造方法でも、使う電力・水素のつくり方、原料の品質、CO₂を計算する範囲によって結果は変わります。

現在は、高炉で使う炭素を減らす技術、スクラップ電炉の活用、水素で鉄鉱石を直接還元して電炉につなぐ技術、CO₂の回収・利用・貯留などが並行して進められています。どれか一つが直ちにすべての鋼材を置き換えるのではなく、求める品質、原料とエネルギーの供給、既存設備、地域条件に合わせて複数の経路を組み合わせる移行です。

以下では、鉄鋼製造でCO₂が生じる理由を起点に、代表的な三つの製造経路と削減策を比較します。そのうえで、調達担当者が「脱炭素に貢献する鋼材」という説明を受けたとき、製法名だけで判断せず、資料のどこを読めばよいかを示します。

鉄鋼のCO₂は「燃料」だけでなく「還元」で生じる

鉄鉱石の中の鉄は、多くの場合、酸素と結び付いた酸化鉄として存在します。鋼材にするには、この酸素を取り除いて鉄へ戻す「還元」が必要です。従来の高炉では、石炭からつくるコークス等を使い、炭素の働きで酸素を取り除きます。この反応の過程でCO₂が生じるため、工場の照明や加熱炉の燃料を省エネ化するだけでは、排出の中心を取り除けません。

製鉄所では還元のほかにも、原料の前処理、溶解、成分調整、圧延、熱処理、構内輸送などでエネルギーを使います。電力を使う設備では、その電力がどのようにつくられたかも間接的な排出量へ影響します。つまり、鉄鋼の排出は「石炭を使ったか」「電炉か」という一語だけでは表せず、原料から最終製品までの工程を境界として捉える必要があります。

脱炭素の基本は、排出が生じる場所に応じて手段を変えることです。還元に使う炭素を水素へ置き換える、すでに還元済みの鉄スクラップを再利用する、電力と水素を低炭素化する、設備の効率を高める、発生したCO₂を回収する、といった対策はそれぞれ削減する場所が異なります。複数の対策が併用されるのは、この排出構造が一つではないからです。

まず三つの製造経路を分ける

鉄鋼の製造方法は細かく見れば多様ですが、脱炭素の入口では、①高炉・転炉、②スクラップ電炉、③直接還元・電炉の三つに分けると理解しやすくなります。表の「主な削減の鍵」は一般的な整理であり、個別設備や製品の排出量を示すものではありません。

製造経路主な原料鉄を得る工程主な排出要因主な削減の鍵
高炉・転炉鉄鉱石、コークス等高炉で還元・溶解し、転炉で成分を調整炭素による還元、燃料、電力省エネ、水素利用、原料配合の工夫、CO₂回収等
スクラップ電炉鉄スクラップ電気の熱で溶解し、成分を調整電力、補助燃料、原料・合金等低炭素電力、歩留まり、スクラップ品質、設備効率
直接還元・電炉鉄鉱石、還元ガス、電力固体の状態で直接還元鉄をつくり、電炉で溶解還元ガスの製造、電力、熱低炭素水素、低炭素電力、適した鉱石、電炉の高度化

高炉・転炉は、鉄鉱石から大量の高品質な鋼を安定してつくってきた主力経路です。IEAは2025年の報告で、世界の粗鋼生産の約70%がこの経路によるとしています。既存設備と供給網の規模が大きいため、脱炭素は設備を一夜で切り替えるのではなく、操業改善や水素利用、CO₂回収等を段階的に組み込みながら進みます。

スクラップ電炉は、すでに鉄になっているスクラップを溶かして再利用します。鉄鉱石から酸素を取り除く工程を省けることが大きな違いです。一方、必要量のスクラップを集められるか、銅等の不純物を用途に合う範囲へ抑えられるか、電力が低炭素かという条件があります。

直接還元・電炉は、鉄鉱石を高炉で溶かす前に、還元ガスで直接還元鉄へ変え、電炉で溶解する経路です。還元剤を天然ガスから低炭素水素へ移すことで大幅な削減が期待されますが、水素の供給、鉱石の性状、電力、設備投資、電炉での不純物管理等が成立条件になります。

高炉・転炉、スクラップ電炉、直接還元・電炉の原料、工程、削減の鍵、調達時の確認点を比較する図
図:三つの製造経路を原料、工程、削減の鍵、確認点で比較

高炉・転炉ルートは既存設備の中で段階的に削減する

高炉は、上部から鉄鉱石やコークス等を入れ、下部から高温の風を送り込む大規模な連続設備です。コークスは熱源であるだけでなく、鉄鉱石を還元し、炉内の通気を保つ役割も担います。そのため、「石炭を水素へすべて置き換える」と言葉で表すほど単純ではありません。還元反応、熱の収支、原料が炉内を通る状態、得られる鉄の品質を同時に成立させる必要があります。

既存高炉で進められる対策の一つは、操業効率を高め、同じ量の鋼をつくるために必要な燃料と原料を減らすことです。設備更新、排熱の回収、原料の改善、操業の安定化は、急激な製法転換と比べれば削減幅に限界があるものの、稼働中の設備へ適用しやすい利点があります。生産量が大きい設備では、小さな原単位改善でも総量への影響は無視できません。

次の段階として、高炉へ水素を含むガスを吹き込み、炭素による還元の一部を水素へ置き換える研究開発があります。水素が酸化鉄から酸素を取り除くと、反応生成物は主に水になります。ただし、高炉内では炭素の役割を完全には外せず、水素還元が吸熱反応であることによる温度管理も必要です。水素をどの程度使ったかだけでなく、その水素をつくる際の排出も含めて評価します。

CO₂の回収・利用・貯留、いわゆるCCUSを組み合わせる考え方もあります。これは発生そのものをすべて防ぐのではなく、排ガスからCO₂を分離して大気への放出を減らす方法です。回収率、分離に必要なエネルギー、輸送・利用・貯留先、長期的な管理を含めて評価しなければなりません。「回収設備がある」という事実と、製品1トン当たりの排出がどこまで減ったかは別の情報です。

高炉ルートの価値は、既存の大規模な設備と高品質鋼の供給を維持しながら削減を積み重ねられることです。課題は、炭素の役割を一度にゼロへできないことと、大規模設備の改修に時間と資金を要することです。調達側は、高炉材かどうかだけで採否を決めず、実施した削減プロジェクト、比較基準、対象期間、製品への反映方法まで読み取ります。

スクラップ電炉は「電炉に替えれば完了」ではない

鉄スクラップは、鉄鉱石から酸素を取り除く工程をすでに通った材料です。電炉では、電極とスクラップの間に生じるアークの熱等でスクラップを溶かし、成分と温度を調整して鋼をつくります。高炉での炭素還元を省けるため、一般に製造段階の直接排出を抑えやすい経路です。

ただし、電炉の環境性能は電力に大きく左右されます。再生可能エネルギー等の低炭素電力を使う場合と、化石燃料比率の高い電力を使う場合では、同じ電炉でも購入電力に伴う排出が異なります。電炉の名称、工場の所在地、証書の有無だけでなく、どの電力をどの期間・設備へ適用し、排出係数をどう扱ったかを確認します。

原料となるスクラップにも制約があります。鉄鋼製品は長期間使われるものが多く、社会へ蓄積された後、建物・車両・機械等の更新時にスクラップとして戻ります。需要が急に増えても、必要な量と品質のスクラップが同じ速度で増えるとは限りません。世界全体の鉄鋼需要をすべてスクラップだけで賄うには、量の制約があります。

品質面では、スクラップに含まれる銅、すず等の不純物が問題になる場合があります。溶解工程で除去しにくい元素は繰り返し循環する中で蓄積し、用途によっては加工性や表面品質等へ影響します。スクラップの選別、前処理、配合、直接還元鉄や銑鉄等の希釈材、精錬技術を組み合わせ、求める鋼種に合わせる必要があります。

電炉を評価するなら、少なくとも「スクラップ比率」「スクラップの由来と品質管理」「使用電力」「補助燃料・炭材」「歩留まり」「製品品質」を一組で見ます。スクラップ比率が高いほど常に優れているとは限りません。目的の品質を満たさず再加工や廃棄が増えれば、工程全体の効率は悪化します。環境性と品質を同時に満たす配合と操業が評価の軸です。

直接還元・電炉は水素と電力の条件で評価が変わる

直接還元は、鉄鉱石を溶かす前に、天然ガスからつくる還元ガスや水素を使って酸素を取り除き、固体の直接還元鉄をつくる方法です。できた直接還元鉄を電炉で溶かし、成分を整えて鋼にします。高炉でコークスが担う還元を別の設備へ分け、水素の利用を増やせる点が脱炭素上の特徴です。

水素還元の排出量は、水素の製造方法で変わります。化石燃料から水素をつくり、製造時のCO₂を回収しない場合、製鉄工程で炭素を減らしても上流で排出が生じます。再生可能電力等で水を電気分解してつくる水素は排出を抑えやすい一方、大量の低炭素電力、電解設備、貯蔵、輸送、安定供給が必要です。水素という名称ではなく、その由来と排出原単位を読みます。

鉄鉱石の品質も結果を左右します。直接還元と電炉の組み合わせでは、還元しやすさ、脈石等の不純物、粒度、強度が操業と製品品質へ影響します。すべての鉱石を同じ条件で使えるわけではなく、適した原料の供給量、前処理、コストが制約になります。高品位鉱石への需要が集中すれば、採掘・選鉱や輸送を含む上流の条件も変わります。

水素による還元では反応に必要な熱の管理も課題です。NEDOのプロジェクトが高炉水素還元、直接水素還元、電炉での不純物除去等を並行して扱うのは、還元剤だけを変えれば完成するわけではないためです。直接還元鉄を電炉へ投入したときの溶解エネルギー、スラグ量、成分調整、電炉設備の生産性まで含めて一つの工程として成立させます。

この経路は将来の大幅削減を支える有力な選択肢ですが、実証設備の成果と、商用の製品を継続的に調達できる状態は分けて考えます。設備能力、供給地域、対象鋼種、数量、開始時期、証明範囲はプロジェクトごとに異なります。「水素製鉄に取り組んでいる企業の製品」だから、現在購入するすべての鋼材が水素還元由来であるとは限りません。

脱炭素を支える六つの条件

製造設備の技術が注目されやすい一方、脱炭素を実際の供給へ広げるには周辺条件が必要です。次の六つは、どれか一つだけを満たせばよいものではありません。

  1. 原料:スクラップの量と選別品質、直接還元に適した鉄鉱石、合金鉄等を安定して確保できること。
  2. 低炭素エネルギー:電炉、電解水素、圧延・熱処理等に必要な電力を、量・時間・価格の面で供給できること。
  3. 水素・CO₂インフラ:水素の製造・貯蔵・輸送、またはCO₂の回収・輸送・利用・貯留を安全に運用できること。
  4. 品質と生産性:成分、表面、加工性、強度等の製品要求を満たし、安定した歩留まりと生産量を確保できること。
  5. 設備投資と移行期間:長寿命の大型設備を改修・更新し、稼働を維持しながら新技術へ移ること。
  6. 測定・報告・検証:削減の基準、算定境界、対象量、エネルギー、第三者確認をそろえ、二重計上を防ぐこと。

この六条件を見ると、国や地域、製鉄所、製品によって適する経路が違う理由が分かります。再生可能電力が豊富で高品位鉱石と水素を確保しやすい地域では、直接還元・電炉が進みやすいかもしれません。スクラップ回収と選別の仕組みが整った地域では、電炉の活用余地が大きくなります。既存高炉と関連産業が集積した地域では、設備を活かした段階削減と新経路への移行を並行する現実性があります。

調達側では、製法の理想像だけで供給可能性を判断しないことが要点です。必要な鋼種、寸法、数量、時期に対して、どの経路の材料が利用でき、どの証拠が付くかを照合します。環境条件を優先するあまり品質・納期の要件を後から戻すと、再見積や材料変更が生じます。反対に、従来仕様を固定したままでは低炭素材の候補を狭める場合があります。設計・品質・購買・環境の各担当が、変更できる条件と固定条件を早い段階で分けます。

「削減した鋼材」を読む三つのレベル

鉄鋼の脱炭素に関する資料では、設備の排出削減、製品のカーボンフットプリント、GX価値を割り当てた製品が同じ場面で語られることがあります。三つは関係しますが、同じ意味ではありません。

評価するレベル主な問い確認する資料注意点
製鉄所・プロジェクト設備全体で、どの対策により排出を減らしたかプロジェクト報告、設備データ、基準年・対象期間特定製品の実排出量を直接示すとは限らない
製品CFP特定製品のライフサイクル境界で排出量はいくらかCFP算定書、EPD等、算定ルール、第三者検証境界・配分・電力係数が違う値は単純比較しない
GX価値の割当て削減プロジェクトの環境価値を、どの商品・数量へ割り当てたか削減証書、割当てルール、数量管理、第三者保証現物の製造経路や物理的CFPと同一視しない

製鉄所全体で排出を減らしても、多品種を同じ設備でつくる場合、その成果を各製品へどう配分するかという問題が残ります。製品CFPは、原料調達から製造、輸送、使用、廃棄のどこまでを含めるかによって値が変わります。比較するなら、機能単位、算定境界、対象期間、配分方法、データ品質をそろえます。

GX価値の割当ては、製鉄所で実施した追加的な削減の価値を、定めたルールで特定の商品へ割り当てる考え方です。日本鉄鋼連盟のガイドラインは、透明性、第三者保証、二重計上の防止等を扱っています。これは、購入した鋼材の原子や分子が特別な経路だけを通ったという説明ではありません。削減プロジェクトと対象数量を記録で結び付ける仕組みです。

したがって、調達目的を先に決めます。自社製品のCFP算定へ使うなら、利用できる排出原単位と算定境界が必要です。環境価値を主張したいなら、割当てルール、証書、主張できる表現を確認します。製造技術の移行を支援したいなら、削減投資との関係や追加性が判断材料になります。一つの資料で三つの目的をすべて満たすとは限りません。

調達担当者が資料で確認したい八項目

「低炭素」「グリーン」「GX」「水素活用」といった名称は、確認の入口です。見積や提案書を比較するときは、次の八項目を同じ順で確認すると、表現の違いに振り回されにくくなります。

  1. 対象製品と数量:どの鋼種、寸法、製造ロット、数量、期間が対象か。
  2. 製造経路:高炉・転炉、スクラップ電炉、直接還元・電炉のどれか。複数経路を混ぜる場合はどのように管理するか。
  3. 削減行為:省エネ、水素、スクラップ、低炭素電力、CCUS等、実際に何を変えたか。
  4. 比較基準:何年、どの設備、どの製品、どの原単位を基準に、何との差を削減としたか。
  5. 算定境界:原料、製造、輸送、加工のどこまでを含み、どこを含まないか。
  6. エネルギーの扱い:電力・水素の由来、排出係数、証書や契約の適用範囲は何か。
  7. 検証と数量管理:第三者が何を確認し、割当てや証書の二重使用をどう防ぐか。
  8. 利用目的との適合:自社CFP、Scope3、顧客報告、調達方針等に、その数値・証書・表現を使えるか。

八項目の答えがすべて同じ書類にあるとは限りません。製品仕様書、材料証明書、CFP算定書、GX証書、第三者保証書、メーカーの説明資料等を組み合わせることがあります。材料品質の証明と環境価値の証明は役割が違うため、ミルシートに環境情報がないことだけで不備とは限りません。逆に、環境証書があっても、規格・寸法・品質の確認を省くことはできません。

社内で使うときは、環境部門だけに証書を保管し、購買システムの品目・数量と分離しないようにします。発注番号、納品数量、対象製品、証書番号、算定書の版、使用した報告先を対応させると、後の監査や顧客照会へ答えやすくなります。割当て型の環境価値では、同じ価値を複数の製品や報告へ重ねて使わない管理が欠かせません。

三つのケースで判断の違いを見る

次の例は、資料の読み方を示すための仮想ケースです。特定企業・製品の性能、削減率、供給可否を表すものではありません。

仮想ケース技術・表示の特徴まず評価すること調達側の主な確認
A:低炭素電力を使うスクラップ電炉材還元工程を省き、電力の低炭素化を組み合わせる製品CFPと品質要求スクラップ比率、電力、境界、不純物管理、対象鋼種
B:高炉の削減価値を割り当てた鋼材既存高炉の削減プロジェクトをGX価値として管理削減行為と割当ての信頼性基準、追加性、対象数量、第三者保証、二重計上防止
C:水素直接還元・電炉の試行材還元剤と溶解工程を大きく転換実証条件と商用供給条件水素・電力由来、鉱石、設備、鋼種、数量、継続供給

Aでは、「電炉だから低炭素」と結論を急がず、購入電力とスクラップの条件を確認します。低い製品CFPが第三者確認を伴って提示され、求める品質も満たすなら、自社製品の算定や顧客説明へ使える可能性があります。ただし、異なる算定境界の高炉材と数値だけを横並びにしてはいけません。

Bでは、鋼材の物理的な製造経路と、付与されたGX価値を分けて読みます。高炉で実施した削減が明確で、基準と対象期間、割当て数量、第三者保証を追跡できることが判断軸です。自社が「この製品は物理的にこの排出量で製造された」と表現できるか、「削減価値を購入した」と表現すべきかは、証書と算定ルールに従います。

Cでは、技術の将来性と、現在の調達可能性を分けます。低炭素水素と電力を使い、製品品質を満たす実証成果は大きな意味がありますが、必要量を毎月同じ条件で供給できるかは別の問いです。試行材、限定ロット、商用製品の区分、対象鋼種、供給開始時期を確認します。

三ケースは競争の順位表ではありません。Aは循環資源と電力、Bは既存設備の削減投資と価値の管理、Cは還元工程の転換という異なる課題へ働きかけます。調達目的と製品要求に合うものを選び、説明できる証拠を残すことが実務上の判断です。

鉄鋼業の脱炭素を一つの順位表にしない

鉄鋼のCO₂削減は、鉄鉱石の還元、溶解、電力、熱、原料循環という複数の場所で進みます。高炉・転炉では既存設備の効率化、水素利用、CO₂回収等を積み上げます。スクラップ電炉では、還元済みの鉄を循環させ、低炭素電力と原料品質を両立します。直接還元・電炉では、還元剤を水素へ移し、電力、鉱石、電炉技術を一体で整えます。

三つの経路にはそれぞれ役割と制約があります。高炉は大規模供給と品質を支える一方、炭素の役割を減らす難しさがあります。電炉は直接排出を抑えやすい一方、スクラップ量・不純物・電力に条件があります。水素直接還元は大幅削減の可能性がある一方、水素・電力・鉱石・設備の新しい供給網を必要とします。だからこそ、経済産業省、NEDO、日本鉄鋼連盟、IEAはいずれも複数の技術と移行経路を扱っています。

調達担当者ができるのは、将来技術の勝者を予想することではありません。必要な製品の品質と供給条件を明確にし、どの工程で何を削減したか、何を基準に計算したか、製品CFPかGX価値か、どの証拠が付くかを確認することです。製法名、環境ラベル、削減率の一つだけで判断せず、原料・エネルギー・境界・数量・検証を同じ表で比較すれば、脱炭素の説明を調達条件へ変えられます。

西日本鋼管の低炭素製品ページでは、NNK-GXパイプとNNK-グリーンパイプの概要を確認できます。個別製品の製造経路、削減量、証明、規格・寸法、価格、納期は案件ごとの確認が必要ですが、鉄鋼の脱炭素を実際の鋼管調達へつなぐ入口として参照できます。

参考情報